久々のファイナンス・トークです。
種類株式シリーズの続きで、本日は拒否権付株式について。
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拒否権付株式とは
拒否権付株式とは、株主総会(や取締役会)における特定の事項について、拒否権付種類株式を持っている株主による種類株主総会の決議も必要とすることができる株式です。
株主総会(や取締役会)で決議された事項についても、種類株主総会の決議で拒否できるという非常に強い権利なので、「黄金株」と呼ばれることもあります。
非常に強い株式ですので、外部株主に発行すのではなく、経営者に持たせて、重要な事項についての決定権を経営者に保持させておくために発行することが多いです。
スタートアップ文脈ではありませんが、例えば事業承継で後継者に株式を譲渡していく過程で、先代には黄金株を持たせておいて、重要な事項については先代がコントロールできるようにしておく、なんて使い方も多いです。
スタートアップにおける活用
スタートアップ文脈においては、スタートアップの重要な決定事項に投資家の意見を反映させるために、拒否権付株式を発行することがあります。
ただ、繰り返しになりますが、非常に強い権利のため、影響の及ぶ範囲をどうするかは、慎重に判断が必要となります。
個人的には、以下のような事項については、投資家の意見を反映させることに一定の合理性があると思います。
・定款変更
・M&A、組織再編
・増資、減資
・重要な財産の処分、解散
いずれにせよ、非常に強い権利のため、譲渡制限や取得条項も付与して、会社が意図しない者へ渡ってしまうことのないような手当が必要です。