扇子: 先生、最近よく耳にするんですけど、取引をする銀行は増やした方が良いんでしょうか?
オオノ先生: はい、それは間違いなく増やした方が良いですね。かつては「メインバンク」と言って、特定の銀行だけと付き合うことが推奨される時代もありましたが、今はむしろ複数の金融機関と取引しながら柔軟に資金調達戦略を組み立てていくのが主流になっています。
扇子: 複数の銀行と取引するメリットは具体的にどういったことがあるんですか?
オオノ先生: 複数の金融機関と取引することで、特定の銀行の動向に左右されずに安定した資金調達ができます。また、金融機関同士で金利や返済条件を比較することで、より有利な調達がしやすくなります。さらに、他の金融機関からの資金調達の実績を、ある種のアピールポイントとして利用することができるんです。
金融機関の金利と返済条件
融資を受けられる金融機関には、日本政策金融公庫、銀行、信用金庫などがあり、各機関で異なる利率が設定されています。
返済方法には、元利均等返済と元金均等返済の大きく2種類があります。元利均等返済は、毎月の元金の返済額と利息の支払い額の合計額が一定になります。一方、元金均等返済は毎月の元金返済額が一定で、利息の支払い額との合計額が徐々に減っていきます。
金利はさらに固定金利と変動金利に分けられます。固定金利は融資期間中に利率が変わらないのに対し、変動金利は市場金利に応じて一定期間ごとに利率が変動します。変動金利は市場金利の影響を受けるため、将来的な金利上昇のリスクを考慮する必要があります。
これらの金利と返済方法を理解し、企業の財務状況や将来的な資金繰りを見据えて適切な選択をすることが重要です。
扇子: デメリットはありませんか?
オオノ先生: デメリットとしては、返済条件を含めて管理が少し煩雑になるところはありますが、これはメリットに比べればそれほど大きな問題ではないと思います。特に中小企業の場合は、1つの金融機関に依存するのではなく、複数の金融機関と取引を行ってリスクを分散させ、柔軟な資金調達戦略を準備しておくのが良いでしょう。