名義貸しはNG!!リスクを回避して、500万円の融資に成功した事例

事業を運営する上で、資金調達は避けて通れない重要なプロセスです。融資の申込は多くの事業主にとって大きな挑戦ですが、特に業績が芳しくない場合や既に多額の借入がある場合、金融機関から新たな融資を引き出すのは一層難しくなります。
しかし、融資を得るために事業内容をごまかしたり、虚偽の内容で申し込むことは、とてもリスクのあることです。

本コラムでは、Aさんの事例を通じて、融資の申込で嘘をつくリスクについて触れながら、信用力の重要さを解説します。

事例の登場人物

Aさん
個人事業主として、エステの経営とインテリアデザイン事業を運営していました。

Aさんのご主人
バーの創業を計画していましたが、Aさんの事業の業績が芳しくないという理由で創業を保留にしていました。

Aさんは、既に日本政策金融公庫から500万円、民間の金融期間から300万の融資を受けていましたが、業績が悪く、新たな融資が難しい状況でした。
自分の事業資金よりも配偶者の方の創業資金として申し込んだほうが融資を受けやすいのではないかと思い、配偶者の名義で資金を調達し、それを自分の事業の運転資金として転用しようと考えていました。

融資前

こうしてAさんは相談に来られましたが、このまま申込をするのは難しいと私たちは判断しました。
理由は2つです。

  • 上記の内容だと、金融機関に嘘をついて融資を受けることになり、重大な資金使途違反として期限の利益を失ったり(融資を全額一括で返済するよう求められる)、今後の融資に悪影響がでたり、最悪の場合には刑事罰の対象になる可能性がある。
  • 仮にご主人の創業資金を調達しようとしても、ご主人は自己資金も事業経験もないため、融資を受けられる可能性は低い

「適切な申請メニューとは?」
虚偽の内容で融資を申請することは絶対に避けるべきです。それは以下のようなリスクがあるからです。

  • 信用の失墜
    金融機関は、申請者の信用を非常に重視します。申請内容に嘘が含まれていることが発覚すると、申請者の信用は一瞬で失われます。さらに、一度失った信用を回復するのは極めて難しいため、今後の融資申請にも大きな影響を与えます。
  • 法的リスク
    虚偽の申請は詐欺行為と見なされる可能性があります。金融機関が法的措置を取ることもあり得ますし、最悪の場合、詐欺罪などの刑事罰に問われるケースもあります。
  • 経営リスク
    虚偽の申請が発覚した場合、金融機関との取引が停止されることがあります。これにより、必要な運転資金が調達できなくなり、事業運営に重大な支障をきたすことになります。

そこで、私たちは以下の方法でAさんを支援しました。

  • 申込内容の見直し 
    不正な申込をした場合のリスクについてご説明し、当初の目的通り、Aさんの既存事業の運転資金として申し込むことを提案しました。
    誤った方法で融資を申し込もうとしていたAさんですが、それは知識不足からくるもので、完全な悪気があったわけではなかったため、上記リスクを理解し、適切な方法で申し込むことに賛同していただきました。
  •  事業計画書の作成 
    次に、Aさんの事業について、過去から現在までの経営状況や今後の見通しについて詳細にヒアリングし、その原因と対策を思索しました。そして、その内容を軸に具体的な数字に落とし込み、根拠となる資料を用意することで、金融機関に「今後業績を回復させられる」と説明できる事業計画書の作成を支援しました。

支援の結果

最終的に、Aさんは民間の金融機関から500万円の融資を受けることができました。もし、ご主人のバーの創業資金として申し込んでいたら、融資を謝絶されていただけでなく、金融機関からの信用も失っていたことでしょう。

まとめ

今回のコラムでは、Aさんが事業を継続する過程で直面した融資の課題と、その解決方法について紹介しました。

この事例から学べることは、嘘をついたり、不正な手段に頼るのではなく、事実を正確に伝えることが重要であるということです。そして、たとえ現状が芳しくなくても、その原因と対策を具体的に示すことができれば、融資の獲得は可能であるということです。

融資について不安や悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。
専門家の支援を受けることで、複雑な資料の作成や金融機関とのやり取りをスムーズに進めることができます。

※本コラムは実際にセブンセンスグループで支援したケースをもとに作成していますが、企業が特定されることを防ぐため、趣旨が損なわれない範囲で一部架空の内容を交えています

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