現在の事業の売上額と融資の調達可能額は関連がある? オオノ先生の融資相談室

Q:現在の事業の売上額と融資の調達可能額は関連がありますか。

大いに関係があります!
売上額は、その事業の規模や成長性を示す一つの指標となり、金融機関にとっても融資の判断材料の一つとなります。

ただし、売上額だけを基にして借入額を決めるのはあくまで目安であり、それだけで融資の判断が行われるわけではありません。融資の返済は、売上から経費を差し引いた後に残るキャッシュフローによって行う必要があります。そのため、売上が大きくても、経費が多く利益が少ない場合や赤字の場合、キャッシュフローがマイナスとなる場合には、融資の返済が難しくなります。こうした状況では、金融機関も融資の実行に慎重になることが考えられます。

また、現在の売上だけでなく、将来のキャッシュフローの見込みも重要な要素です。融資を受ける際には、事業計画書を作成し、将来どれくらいのキャッシュインフローが見込めるかを示すことが必要とされます。事業計画書により、将来の売上や利益の予測、そこから返済に充てられる金額を明確にすることで、金融機関に対して説得力のある融資申請ができるようになります。

このように、融資を受けるためには、現在の売上と将来の収益見通しの両方を把握しておくことが大切です。また、経営者自身にとっても、融資を通じて調達した資金をどのように活用し、確実に返済できるかを見極めながら事業を進めることは、事業の持続的な成長にとって非常に重要なプロセスと言えます。

キャッシュフローの計算は、企業の資金の動きを把握するために重要なステップです。これは、現金がどれだけ入ってきて、どれだけ出ていくかを計算して、会社の財務状況を明確にします。計算は主に3つのカテゴリーに分かれます。

  1. 営業キャッシュフロー: 企業の本業で得た現金の流れです。売上から、仕入れ費や人件費、営業経費などの支出を差し引きます。この数字がプラスなら本業で現金収支がプラスであることを示しています。
  2. 投資キャッシュフロー: 設備投資や資産の購入・売却による現金の流れです。例えば、新しい工場や機械を購入すると支出が増えますが、古い設備を売却すれば収入となります。成長企業では将来の利益拡大を目指して積極的に投資を行うため、この項目がマイナスになることが一般的です。
  3. 財務キャッシュフロー: 企業が資金を調達したり返済したりする際の現金の流れを示します。銀行からの借入や株式発行による資金調達は収入として計上され、借入金の返済や配当金の支払いなどは支出となります。この項目は、会社がどのようにして資金を集め、返済しているかを表します。

これら3つのキャッシュフローを通して、全体のキャッシュフローを計算します。キャッシュフローの計算は、企業の健全な経営を支える基本的な作業であり、特に融資や投資の際に重要視されます。

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