Q:信用金庫、地方銀行、都市銀行のどこに借りに行けば良いですか?
まず、前提として、お金そのものには「色」がありません。どの金融機関から借りても、手元に入るお金は同じです。ただし、融資は単なる資金調達にとどまらず、金融機関との関係性を築く意味もあります。
以前のコラム( https://consulting.seventh-sense.co.jp/yushi_risoku/ )でもお話ししましたが、金融機関にとって重要なのは利息収入です。利息を支払うことで、金融機関にとって大切な取引先(得意先)となり、万が一資金繰りに困った際にも相談しやすい関係を構築することができます。
このような関係を築くためには、対等な立場で相談できる金融機関が望ましいです。なぜなら相手があまりに大きい金融機関だと、こちらの悩みが小さく見られ、真剣に向き合ってもらえない可能性があるからです。
したがって、開業時のようにまだビジネスが小規模なうちは、メガバンクや大手の第一地銀よりも、信用金庫や信用組合といった比較的小さな金融機関を利用する方が良いでしょう。こうした金融機関は、事業者との密な関係を築くことに長けています。私たちは、このような金融機関で融資を受けることをお勧めしています。
信用金庫・地方銀行・都市銀行、それぞれの特徴をおさらいしましょう。
信用金庫は、地域住民や中小企業などの会員が出資して運営する非営利の地域金融機関です。地域の発展や住民同士の助け合いを目的に、営業地域は一定の地域に限定されているため、利益は出資者や地域に還元されます。基本的に、その地域に住む人や小規模な企業のみが利用でき、全国展開はしていません。
また、融資を受ける際には、原則会員になる必要があります。会員になるには(1)営業地域に居住・勤務・事業を営んでいる(2)従業員300人以下もしくは資本金9億円以下という条件があります。その他、諸条件を確認して会員になるか検討しましょう。
地方銀行は、特定の地域に根ざした株式会社で運営され、地元企業や個人を対象に金融サービスを提供します。地域経済の発展に貢献することを重視しており、地域密着型の融資や金融支援を行いますが、全国規模での展開は少なく、主にその地域内でのサービスに限られます。地元企業の成長を支える一方で、地域に特化するため大都市や国際取引には弱い面もあります。
また、地方銀行は規模が様々であるため、融資に積極的な銀行とそうでない銀行に分かれる傾向があります。
都市銀行は、全国に支店を持つ大手の株式会社形式の銀行です。個人から大企業まで幅広い顧客を対象とし、国内外での取引にも対応します。大規模な資金調達や多様な金融サービスが提供され、特に大都市圏に多くの支店があります。国際的な業務や大規模なプロジェクトにも対応できるため、都市銀行は国際的な取引や大企業の取引に強みを持っていますが、地域特化のサービスは少ないです。
また、融資を受ける際の審査が地方銀行に比べて厳しい傾向があります。
以上の特徴を踏まえ、今後、良好な関係性を構築できる銀行に融資の相談をすることが大切です。