同じ金融機関でも担当者によって対応が変わる? オオノ先生の融資相談室

Q:同じ金融機関でも担当者によって対応が変わりますか?

「同じ金融機関でも、担当者の違いによって融資の審査や対応に影響がありますか?」という質問ですが、結論から言うと「大いにある」と思います。

金融機関は、担当者による違いをなくし、業務を平準化して属人化を防ぐ努力をしています。しかし現実問題として、どんな組織でも優秀な方とそうでない方がいるのは事実です。

優秀な担当者は、会社の状況や課題、将来性を素早く把握する能力に優れていることが多く、それが融資判断に大きく影響を与えることがあります。ただし、優秀な担当者に当たれば、必ずお金を借りやすくなるというわけではありません。彼らは会社の問題点も敏感に察知するため、優秀だからこそ「貸さない」という判断を下すことも十分にあり得るのです。

ただ、これまで多くの会社を見てきた優秀な担当者が「貸さない」という判断をした場合、それは会社にとって、借りない方が良いお金だったということが多いでしょう。したがって、優秀な担当者に当たることは、会社にとって非常に重要です。

しかし、そんな優秀な担当者に偶然出会うことは少ないと思います。多くの事業者は、知人やコンサルタント、税理士などに紹介してもらうのが現実ではないでしょうか。

金融機関の担当者との付き合いでは、以下に注目すると良いでしょう。

1.親身な対応をしてくれるか
担当者が事業や業界のことを理解しているかという点は非常に重要です。また、実際に相談を進めるにあたって、親身になって業界理解を深めようとしてくれるか、その姿勢が感じられるかが大きなポイントとなります。その上で、企業の経営状況やビジネスモデルを理解し、適切なアドバイスを提供してくれるかが鍵となるでしょう。
また、融資の手続きの際には多くの資料作成が発生します。その際に丁寧なサポートをしてくれるかも重要です。

2.提案力がある
業界理解をした上で、企業の成長や経営改善に貢献できるよう、金融商品やサービスを提案する力があるか確認しましょう。また、資金調達に関する最新情報や、各種金融商品のメリット・デメリットを的確に説明できるかも注目すべきです。

3.レスポンスは速いか
今後、長く付き合うことになるからこそ、質問や要望に対し、タイムリーに応じる姿勢を持っているかは重要なポイントです。
また、必要に応じて金融機関内の他の担当者や部署とスムーズに連携が取れているかも注目すべき点でしょう。

もし担当者にこのような対応が欠けていると感じた場合は、事業者側から要望をしっかり伝えてみる、もしくは他の金融機関に相談することも選択肢の一つです。良い担当者との関係を築くことで、資金調達や金融機関との取引をスムーズに進めることができ、企業の成長を支える重要なパートナーとなるでしょう。

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