金融機関に難色を示されていたが、希望金額+500万円の融資を獲得した事例

起業の準備を進めてきて、いざ金融機関に相談してみたら消極的な対応をされてしまい、「これから先、自分は融資を受けられないのかも…」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。。

しかし、しっかりと自社の状況を把握し、強みをアピールできる資料を用意することによって、金融機関からの評価を好転させて融資を獲得することが可能になります。

今回のコラムでは、金融機関に難色を示されていたAさんが、見事融資を勝ち取った事例をご紹介いたします。

事例の登場人物と背景

Aさんは、自分で車両関連のビジネスを展開したいという願望を以前から持っていました。
業界での経験も長く、古くからの仲間も協力してくれることになっていたため、独力で起業の準備を進めていました。

事業を立ち上げるにあたって、車両や器具の購入のために800万円ほどの資金が必要でしたが、Aさんの自己資金は150万円しかなかったため、融資を受けるために金融機関へ相談をしました。
しかし、日本政策金融公庫や民間の金融機関からは、Aさんの自己資金が少ないことを理由に融資することは難しいと言われ、開業のための準備が停滞してしまいました。
そこでAさんは、弊社に相談にいらっしゃいました。

融資を支援した方法

私たちは、Aさんから詳しい内容をヒアリングし、次のようにアドバイスしました。

  • 自己資金の不足について
    Aさんと共に企業準備をしてきた仲間の方がいらっしゃり、その方は今後役員として事業に関与することが確定していたため、その仲間の方(あるいはAさんのご親族)に資金援助を相談するようアドバイスしました。

「自己資金とみなせる範囲」
事業主が用意してきた預貯金だけではなく、ご親族や今後役員等になる予定のお知り合いからの援助も自己資金とみなせる場合があります。
ただし、親族ではないパートナー(恋人)や、事業に関係のないご友人等からもらった資金は自己資金とはみなされない可能性が高いため、注意が必要です。

  • 事業計画書について
    Aさんは相談に来る前から自分で事業計画書を作成していましたが、取引先との正式な契約を交わさずに事業を進めていたり、売上金額をAさんの主観的な見積で設定していたため、計画書に説得力が足りないと感じていました。

そこで、計画書の精度を高めるために、以下の内容をアドバイスしました。

  1. 取引先との正式な契約を交わし、今後売上が立つことを証明できる資料を用意する
  2. 取引している案件の規模や単価、また件数と、マネタイズの手段を整理する

アドバイスの後

Aさんは、役員になる予定の方に相談して50万円の追加資金を得ることで、合計200万円の自己資金を用意することができました。

また、事業計画書の作成にあたり、売上の構成要素を把握し直し、ビジネスモデルや具体的なマネタイズ手段を整理したことによって、以前より現実的で説得力のある計画書を作成できるようサポートしました。

さらに、Aさんのご経歴や今後の事業展開を詳しくヒアリングし、豊富な事業経験があることや、それがどのように事業に役立つか、また起業前の段階ですでに売上先があることなど、Aさんの強みをアピールできる説明資料の作成をお手伝いしました。

支援の結果

創業融資にも積極的だと弊社が評価している金融機関に打診した結果、増加させた自己資金と認定支援機関と共同で作成した計画書が評価され、融資を前向きに検討してくれるようになりました。その後、日本政策金融公庫の対応も変化し、協調融資を行う民間の金融機関が見つかったことで、最終的に1,300万円の資金を調達することに成功しました。

まとめ

この事例から学べることは、融資を受けるためには十分な準備が必要であるということです。Aさんの場合、難色を示されたまま融資を申し込む前に弊社に相談にきてくださったことで、自己資金不足を解消する方法をアドバイスできただけでなく、より現実的で説得力のある事業計画書の作成を支援することができました。
そして、消極的だった金融機関からの評価を大きく変え、本来の希望より多く融資を得ることができたのです。

一度申込をして断られてしまうと、謝絶の履歴が付き、半年〜一年ほど申込ができなくなってしまうため、結果として事業の開始に大きな遅れが生じてしまいます。また、その後に専門家の支援を得て再度申し込んだとしても、謝絶した原因が解消しない限り、金融機関の判断は覆らない可能性が極めて高いです。

もし今、金融機関に難色を示されている場合は、相談中の段階であれば謝絶の履歴が付かないため、お一人で申込に進む前に、ぜひ一度専門家に相談してみてください。

ご相談は、こちらからどうぞ!

※本コラムは実際にセブンセンスグループで支援したケースをもとに作成していますが、企業が特定されることを防ぐため、趣旨が損なわれない範囲で一部架空の内容を交えています

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