法人設立のメリット

日頃より、当コラムをご愛読いただき、誠にありがとうございます。

今回は「個人事業主と法人のどちらがいいのか?」と悩んでいる方に向けて、特に法人設立のメリットを取り上げます。
もっとも大事な前提として、ある程度の利益が見込める事業規模でないと、法人化の恩恵は大きくありません。

それを踏まえたうえで、以下の4つのメリットをご紹介していきます。

法人設立のメリットとは?

1. 信用度が高まりやすい

個人で活動していると、取引先や仕入先によっては「ビジネスの規模が読みにくい」という印象を持たれることがあります。
一方、法人は登記情報や法人番号などが公的に管理されるため、社会的な信用度が高いとみなされやすいのが特徴です。
融資の申し込みや新規取引の商談などで、企業側の姿勢や規模感を客観的に示しやすくなる点も大きな利点でしょう。

2. 事業年度を自由に設定できる

個人事業主の場合、会計期間は1月1日から12月31日と法律で決まっており、変更することはできません。

これに対して法人は、決算期を自社の都合に合わせて決められるため、
・売り上げが集中する時期
・忙しくなるシーズン
などを踏まえたうえで、経営計画を立てやすくなります。

たとえば「繁忙期の直後を決算にしたい」「期末に人員を増やすための準備期間を長くとりたい」など、柔軟にコントロールできるのは大きな魅力です。

3. 有限責任で個人資産を守りやすい

個人事業主は、事業のあらゆる債務(税金や取引先への支払い、借入金など)を個人名義で抱えることになります。  
万が一、支払義務を果たせなくなった場合は、個人の資産を取り崩してでも弁済しなければなりません。  

一方、法人はあくまでも法人名義での契約や債務となり、株主である代表者の責任は出資金の範囲内で限定されます。 
もちろん、代表者自身が連帯保証をしているケースでは個人資産のリスクがゼロになるわけではありませんが、  それでも原則として「事業用の債務」と「個人の資産」を切り分けやすいという点は、法人化の大きなメリットです。

4. 事業に対する本気度が増す

個人的な要素もありますが、法人化をするには設立費用や諸手続きを要するため、「気軽に始めてダメだったらすぐやめる」という感覚では進めにくくなります。  たとえば株式会社の設立には、数十万円が必要になることも珍しくありません。  
決して小さくない支出と手間をかけて会社を作るからこそ、代表者自身が本気で事業を継続・発展させる覚悟を持てるのです。  
また、外部からも「法人化している=腰を据えてビジネスを行っている」という印象を与えやすくなります。

まとめ

以上、法人設立における主なメリットを4点ご紹介しました。  

1. 信用度が高まりやすい  
2. 事業年度を自由に設定できる  
3. 有限責任で個人資産を守りやすい  
4. 事業に対する本気度が増す  

繰り返しになりますが、利益がほとんど出ていない段階で法人化をしても、負担ばかりが増えてしまう可能性があります。  

しかし、事業を本格的に成長させたい・リスク管理をきちんと行いたいという方にとっては、法人化を検討する価値は十分にあるでしょう。  

皆さんのビジネスにとって最適な形態を見極めながら、将来を見据えた選択をしていただければと思います。  

最後までお読みいただき、ありがとうございました。  
今後も皆さんの事業に役立つ情報をお届けしていきますので、どうぞお楽しみに!

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